本/亡国のハントレス
先日NHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト/ナチハンター・忘却との闘い」を見て、とても面白かったこの本を思い出した。ドイツ占領下のポーランドで子供や捕虜を虐殺し、その後終戦とともに姿を眩ませた、ハントレスと呼ばれる戦争犯罪人を探し出し、裁判にかけるナチハンターの追跡と、当時その現場にいて顔を知る生き証人となった元ソ連女性飛行士の半生。そして父の後妻になった女性に違和感を持つ娘。この3つのストーリーで構成される、史実を基にした小説。女性飛行士の話は本屋大賞に輝いた「同志少女よ 敵を撃て」を思い出すけど筋は1つ。こちらは3つが行きつ戻りつしながら収束していき、息詰まるラストは圧巻の興奮感動モノだった。今年の6月にドイツの裁判所が、かつて強制収容所で3,500人超のホロコーストに加担した、101歳の元看守に禁固5年の判決を下していて、今もまだこれが続いていることを知る。凄い。