本/バベル
前出「スタンド」に続くウィルス小説第二弾は再読の「バベル」。著者.福田和代サンには2017年に岡山でお会いして以降はすっかり無沙汰。新作も読んでおらずで陳謝。さてこの小説はその前2014年に出版されている。強い感染力を持つインフルエンザウィルスの感染流行の端緒や、コロナ差別などの描写は、今となってみれば予見したようなその一致に驚くばかり。おハナシでは、感染すると一生「話す方の言語」を失うという設定なのだけど、「言語が生まれるまで"以心伝心"でコミニュケーションをとっていた人間は、言語を習得したために孤独な生き物になった」という一節があって、別の意味で考えさせられた。思うに今ではSNSというコミニュケーションツールが発達したことで、よりたくさんの人と知り合えるようになった反面、さらに「孤独なぼっち」が増えることになったのではないか。こういう時代になった今、いろいろ読み深められるタイムリーなお薦め小説です。
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